メカニカルシールとは?

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メカニカルシールとは?

What Mechanical Seal

メカニカルシールとは?

『シール』とは、流体機械の内部の液体の漏れを防いだり、異物の混入を防ぐ装置の総称です。メカニカルシールは、機械内部の液体の漏れを防ぐ『シール』の一種です。

では、メカニカルシールは、どのような仕組みで液体の漏れを防いでいるのか、ご説明します。

メカニカルシール構造説明イラスト(固定環黄色塗り・回転環緑塗り)

上記図の固定環(黄色部分)は、機械に固定されていて動かず、軸(灰色部分)とは直接触れていない部品です。一方、回転環(緑色部分)は軸に取付されていて、軸と一緒に回転する部品です。この固定環と回転環の間に、絶妙な隙間(「摺動面」と言います)があることにより、液体の表面張力により毛細管現象が発生し、この隙間に液体が入り込みます。その液体が潤滑油の役割を担うことにより軸の回転に支障が発生せず、機械内部の液体が漏れないようになっています。

最初に、メカニカルシールは『シール』の一種とお伝えしましたが、他にはどんな『シール』があるのでしょうか?次は、『シール』の種類について、ご説明します。

各種シールの分類図

上記表のように、『シール』は機能ごとに多くの種類があることが分かります。

1段階目分類の『静的シール』とは、パイプのつなぎ目等の動かない場所に使用するものが分類され、『動的シール』とは、稼働箇所等の動く場所に使用されるもので、メカニカルシールは『動的シール』に該当します。

2段階目分類の『接触式シール』とは、通常の水ポンプ等の使用されるものであり、『非接触式シール』とは、高圧ポンプ等に使用されるものが分類されます。
メカニカルシールは、製品により『接触式シール』も『非接触式シール』もあります。

次は、同じ『動的シール』で『接触式シール』であり、よく比較されるグランドパッキンとの違いをご説明します。

メカニカルシール使用、グランドパッキン使用、パッキン等不使用時の比較イラスト

上図のように、パッキン等を使用しなかった場合(上記右図)は、当然液体が漏れ出してしまいます。

メカニカルシール(上記左図)とグランドパッキン(上記中央図)を使用した場合は、どちらも液体は漏れだしておりませんが、何が違うのでしょうか?

メカニカルシールは、軸に取付される回転環と、機械に取付される固定環の隙間(摺動面)が摩耗します。

一方、グランドパッキンは軸に巻き付けて使用するので、グランドパッキンの摩耗だけでは無く、軸と機械も摩耗します。ですから、メカニカルシールを使用した場合は、摩耗した場合もメカニカルシールのみの取替えだけで済みますが、グランドパッキンを使用した場合は、軸や機械の補修も必要となります。

また、他にも下記表のような違いがあります。メカニカルシールは高価ですが、交換頻度も低いので、結果的にはコストパフォーマンスが高くなる事もあります。

メカニカルシールグランドパッキン
購入価格高価安価
漏れ極少少量
増し締め不要必要
交換頻度2,3年頻繁
軸の摩擦

メカニカルシールの機能上の分類

軸パッキングによる分類メカニカルシール分類 Vパッキン型
Vパッキン型
メカニカルシール分類 Oリング型
Oリング型
圧力範囲による分類メカニカルシール分類 アンバランス型
アンバランス型
メカニカルシール分類 バランス型図面
バランス型
スプリングによる分類メカニカルシール分類 マルチスプリング型図面
マルチスプリング型
メカニカルシール分類 ワンコイルスプリング型図面
ワンコイルスプリング型
取付位置による分類メカニカルシール分類 インサイド型図面
インサイド型
メカニカルシール分類 アウトサイド型図面
アウトサイド型
スプリングの位置による分類メカニカルシール分類 回転型図面
回転型
メカニカルシール分類 静止型図面
静止型
取付方法による分類メカニカルシール分類 シングル型図面
シングル型
メカニカルシール分類 ダブル型図面
ダブル型